ウィルスの無力化の概説

 

ウィルス論(シナリオ関数とウィルス)

 ウィルスは狙われたプログラムの受信機能を利用して正常なデータとして、そのプログラムが定義する受信領域に侵入します。そして、ウィルスが具備する起動の仕組みを用いてウィルスが具備するウィルス意図のロジックを起動し、その意図を果たします。ウィルス意図のロジックは通常のプログラムを作る方法に準じて作ることが出来るのでウィルス技術というほどのものではありませんが、敢えて言えば、ウィルスが具備するウィルス意図のロジックを起動させる仕組みがウィルス技術という事になります。またウィルスは開発言語の特性(弱点)を応用して、起動の仕組みを持たなくてもウィルス意図を果たすロジックを記述することも出来ます。

 LYEE構造により導かれたシナリオ関数は主語の同期アルゴリズムを成立させるプログラムで、その成立過程でデータ処理が行われます。そして、シナリオ関数の構成要素であるベクトルが同期アルゴリズムに反する様相として侵入したウィルスを捉えます。(ベクトルや同期アルゴリズムについては、別のWebページにより詳しい説明を準備してあります。)

 同期アルゴリズムを認識する為にはシナリオ関数の仕組み、同期アルゴリズムの概念の知見が必要です。シナリオ関数以外のプログラム、即ち従来プログラムが成立させるアルゴリズムはかならず非同期アルゴリズムとなります。因みに、非同期アルゴリズムで捉えられるウィルスはデータ属性から事前にウィルスだと分かっている場合に限られます。しかし、ウィルスは自分がウィルスだと旗を立てて侵入するわけではありません。そして、非同期アルゴリズムではシナリオ関数がなしえる無力化レベルに到達できることはあり得ません。我々の本能が成立させるアルゴリズムが非同期アルゴリズムです。科学的思考法はこのアルゴリズムの下で行われています。我々が解を求めるのは本質的欠陥を内在する非同期アルゴリズムを、同期アルゴリズム化を図るための所作として位置づけることが出来ます。

 シナリオ関数は解を求める為のプログラムで、その解を主語系譜と呼びます。次の図は、同期アルゴリズムが成立させたプログラムが使用するすべての値が求められた様相です。これが「主語系譜」です。因みに従来プログラムには解という概念は成立しません。

 

図 シナリオ関数の解である主語系譜が成立した様相例

▲画像をクリックで拡大

 

 シナリオ関数でいうウィルスの無力化とは

 ①ウィルスを主語単位で定義されるベクトルの仕組みで捉え、

 ②ベクトル(の内部に準備しているウィルス観察アルゴリズム)で除染し、

 ③除染された内容をシナリオ関数の再起構造で正統な内容に再度自動生成することの総称です。

 シナリオ関数を理論通りに作成すれば、結果的にシナリオ関数はどのようなウィルスに対しても対応します。そしてシナリオ関数の理論を修得すればだれでもシナリオ関数を作ることが出来ます。

 シナリオ関数はウィルスを意識して作成するわけではありません。しかし、シナリオ関数を理論通りに作成すれば、結果的にどのようなウィルスでも無力化できるものは自動的に無力化します。侵入時点でウィルスと判定されるものは自動的に発信元に返却されます。

 ウィルス問題を含めて遭遇するプログラム課題をシナリオ関数の構成要素であるベクトルで解法することがシナリオ関数の理論であり、その理論が即シナリオ関数のプログラム技術という事になります。いつの日か、シナリオ関数の構造がデータ結合型としては世界で初めての普遍的構造に帰着していることにもお気づき頂ければ幸甚です。このことはシナリオ関数のソースは主語が分かれば決定できることを意味し、それ以上のプログラミング作業は自動ツールで代替されることを意味します。

 

※2016年10月7日 発明者の意向で内容を差し替えました。